あなたのまわりにいる優秀な人を思い浮かべてください。具体的にどのような部分が「優秀」と思った要因でしょうか。
- 物事を論理的に考えることができる?
- 誰とでも信頼関係をうまく築ける?
- 自ら企画し新しいことに挑戦している? など
きっと、皆さんが考える優秀な人というのはバラバラかと思います。では、世間で言われている「優秀な人」とはどんな人なのでしょうか。
優秀な人材の定義とは何か
結論「ない」というのが正しいのでは捉えています。
以前、経団連が優秀な人材とは5つの要素があると記載されていました。
※経団連は日本の代表的な企業1,461社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体から構成(2021年4月1日現在)
上記5つの要素をまとめると要するに、自律的に考えながらチャレンジを恐れずに行動することができる。グローバルな社会、多様な人間関係の中でも円滑なコミュニケーションをとれる人材、円滑な関係を築ける。協調性や誠実性が人として大事である。ということを指しているのではと想像します。
こちらを聞いて「たしかに優秀だろうな」って思った方もいるでしょう。
でもよく考えてみてください。以下の各要素について違くないか?と感じる部分ありますよね。
- コミュニケーション力は、みんなと仲良くできること
- 主体性は、自分で考えて動けるということ
- 挑戦心は、新規でいろんな新しい物ごとに取り組むこと
- 協調性は、みんなに合わせてチームプレーということ
- 誠実は、真面目ということ

優秀の定義は曖昧な要素ばかり
先ほどの「コミュニケーション力が長けている人」についてですが、
どちらも当てはまりませんか? → 「論理的に考えて話せる人」「例え話が上手で話の内容が整理できる人」
では次に「主体性がある人」についても、
どちらも当てはまりませんか? → 「自発的に発言できる人」「目の前の課題に気付き取り組める人」
誠実性であれば、自分の信念で行動できる人ですか?社会の法律に則って判断や行動できる人ですか?
揚げ足を取るような言い方かもしれませんが、世間一般的に言われている優秀の定義は曖昧なことばかりです。とはいえ、上記事項を兼ね備えている人が優秀ではないという訳ではなく、優秀だと思います。
要する、優秀な人材というのは、適材適所で考え方や求められることが変わってくるということです。

面接時を思い出してみて、どうでしょうか。
企業の採用担当者は「優秀な人材を採用したい」とみんな口を揃えて言います。前述にあるように、優秀な人材は適材適所です。定義で語ることはできない曖昧な表現です。採用担当者からの質問内容をとっても、企業によって重要視する内容は違うかと思います。
ここで「採用面接あるあるな話」をQ & A方式で紹介したいと思います。
- 採用担当者と共通点があり、面接時に盛り上がったことは良かったでしょうか。
-
結果的に共通話題で会話が弾んだのであればOKです。「類似性効果」がプラスになっている可能性があります。簡単に言えば、自分と似た人間を高く評価してしまうことです。共通点があると純粋に嬉しいですよね。
※類似性効果についての記事はこちら
- 最終面接で担当者が3名いたのですが、最終的にどのようにして採用決定が決まるのでしょうか。
-
企業によって違いますが、定性的な所感をすり合わせて、採用可否をひとりずつ確認するケースが多いです。行動心理学のひとつ「バンドワゴン効果」がはたらく場合があるのはよく聞く話です。要するに、多数がある選択肢を選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果。極端ですが、社長が良いと言っているから、それに従おう的なことです。
※バンドワゴン効果についての記事はこちら
- グループ面接時、東大や京大の方と一緒でした。中堅私大の私と比べるとマイナススタートでしょうか。
-
学歴フィルターがないと言ったら嘘です。まだ根強く残っています。その理由のひとつは、社会心理学での「ハロー効果」です。目立ちやすいひとつの特徴に引きずられて、他の要素も過大評価されてしまうことです。東大卒の全ビジネスマンが活躍する保証はないです。もし学歴だけでマイナスの判断をする会社は、人を見ていない会社ですので、オススメしません。
※ハロー効果についての記事はこちら
上記のあるあるな話のように、残念ながら合否が曖昧な判断によって決められるケースはあります。企業によっては、合格基準を明確に決めて曖昧さを無くす採用を実施しているとこもあります。
とはいえ、採用面接担当の方も我々と同じ人です。面接側と受ける側は対等であり、どちらも選ばれる立場です。自分が優秀かを考えるのでなくて、以下のようなポイントを整理して、考えてみてください。
- 面接を受ける企業や職種にて、活躍する人物像はどのような人なのか?
- 自身の経歴などから、自分はその会社で活きるのか、活躍できると思えるのか?それはなぜか?
- 優秀な人物像は曖昧であり、考えること自体がナンセンス
- 採用担当者も人。合否基準の曖昧さは企業によってあり得る
- 面接側と受ける側は対等で、どちらも選ばれる立場
- 自身がなぜその会社で活躍できる可能性があるのかを言語化する
5つの要素